オートマオイル交換ってするべき?長く使うためのポイントとは?

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エンジンオイル、ミッションオイル、デフオイル、オートマチック・ミッション・フルード、ブレーキ・フルード…色々な部品があって、それぞれ合ったオイルが存在しています。各部品の役割もそれぞれ違うのだからオイルもやっぱり特徴があると思います。そこでカー用品展でエンジンオイル交換と同じ様によく見かける「オートマオイル交換」について調べてみました。

オートマオイルの役割

一番気になるオートマオイルの交換時期

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自動車メーカー推奨の点検・交換の目安

いきなり核心の部分にから入りますが、下記が各メーカーがHP等で公表している乗用車のオートマオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)の点検・交換目安となる走行距離です。

TOYOTA 100,000km
HONDA 60,000〜80,000km
NISSAN 40,000km
MAZDA 必要とする車種と必要としない車種がございます。

ちなみにエンジンオイルは下記の通りです。(各メーカー共にターボ車や過酷な走行条件は除いてます。)

TOYOTA 15,000km(12ヶ月)
HONDA 10,000〜15,000km(12ヶ月)
NISSAN 5,000km(6ヶ月)
MAZDA 15,000km(12ヶ月)

普段はあまり意識されないオートマオイルを理解してもらうために、比較的関心も交換頻度も高いエンジンオイルを併記しました。

オートマオイルの寿命って思ったより長くてビックリ!

通勤等で毎日の様に車を利用される方は別ですが、一般的にいう「街乗り」で利用している方であれば車を手放すまで(乗り換えるまで)のオートマオイルに関しては交換する必要がないかも知れませんね。実際、ディーラーと比較するとオイル交換の料金が安いオートバックス等のカー用品店でも乗用車のオートマオイルの交換には1万円以上の費用がかかりますから、これって嬉しい事実ですよね。でも、本当に必要性がないのか?交換しないで不具合が生じないのか?交換しても効果がないのか?ちょっと心配になります。そこで今回はオートマの機構とオートマオイルの役割を調べて、不安を解消して行きましょう。

オートマって何者?

オートマの構造

Source: https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-450400

イラスト中の「トルクコンバーター部」「プラネタリー機構部」「油圧制御部」の3ヶ所にオートマオイルが必要とされています。今回はその各部位でオートマオイルがどの様な役割を担っているかを見ていきたいと思います。

オートマオイルの役割(トルク・コンバーター部)

まずオートマ車の運転席の足元にはアクセルとブレーキはありますが、クラッチがありませんね。要するに車からクラッチを無くしたのがオートマ車で、そのクラッチの代わりをしているのが、この「トルクコンバーター」なんですね。クラッチはエンジンの力をミッショッンに伝える役割をしてるのですが、それをなくす代わりに「オートマオイル」を使って扇風機の羽の様な部品を回すことでエンジンの力を伝えているのです。簡単に原理を説明すると扇風機を二つ用意して向かい合わせにします。そして片方の扇風機だけスイッチをいれると、反対側の扇風機の羽も回り出します。この時の空気流れの役割を「オートマオイル」がしてるのです。ここでのポイントは「オイル」で力を伝達しているので機械部品同士が歯車の様につながっていないところです。クラッチの場合はクラッチディスクがフライホイールに直接押し付けれる事でエンジンの力を伝えるのでクラッチディスクが擦り減って粒子のゴミが発生します。しかしトルクコンバーター内部の「オートマオイル」はその心配がないので汚れないのです。

次の動画は英語版ですが、オートマオイルがトルクコンバーターの内部でどんな役割をしているか見るだけでも分かる様に解説していくれています。

オートマオイルの役割(プラネタリー機構部)

次はプラネタリー機構部です。ここは「変速」いわゆるギアチェンジをする部分になります。余談ですが「プラネタリー機構」と呼ばれている理由は変速に必要な歯車が組まれている状態が、太陽を中心として回る惑星に例えられプラネタリーギアと呼ばれているからです。ギアの働きによる変速の仕組みについては割愛させていただくとして、ここでの「オートマオイル」の役割はズバリ歯車の潤滑油ですね。最近ではオートマでも5速・6速・7速と変速の段数が増えていて、このプラネタリーギアが内部で増える傾向にあります。これによって潤滑油としての重要度も増してきてるのですね。ちょっと大袈裟な表現ですが、ここでは歯車から発生する金属の粒子を洗い流す役目も担っています。

オートマオイルの役割(油圧制御部)

最後が油圧制御部です。イラストの迷路みたいになっているのがバルブボディーと呼ばれ、実際に車が動いている時は「オートマオイル」で満たされてます。そしてスプリングの描いてあるボディー部分に「オートマオイル」に指示をだす油圧をコントロールするバルブが装着されています。「オートマオイル」がその指示を、先ほどのトルクコンバーターやプラネタリーギアに伝えて「変速」すると言った具合ですね。イラストの下の図はバルブがどの様にトルクコンバーターやプラネタリーギアに指示を出すか色分けされて描かれているのですが、ここまでくるとコンピューターの回路図と同様で専門家でなければ説明出来ないレベルです。しかし「オートマオイル」が指示に従って複雑な動き(流れ)をすることで1秒にも満たない時間で変速する訳ですからかなり重要な役割を担っていると思います。

Source: http://etereman.com/blog/transmission-care/automatic-transmission-troubleshooting-vacuum-testing-valve-bodies

Source: http://www.autorepairmanuals.ws/threads/o1m-automatic-transmission-technical-service-information.9247/

オートマオイルは一人で3役のすごい奴

この様に見てくると「オートマオイル」はそれぞれの場所でとても重要な役割を担っていることがお分かり頂けたと思います。まるでサッカー日本代表の中田英寿選手や本田圭祐選手の様に攻撃も守備もチームに指示も出せるミッドフィールダーの様な「スーパースター」ですね。そこで実際はオートマオイルにはどんな能力が求められているか具体的に見てみましょう。

①-30℃から140℃までを使用範囲として、低温時にも固化せず、高温でも適当な粘度を維持(粘度指数向上剤)
②高温での酸化劣化を防止(酸化防止剤)
③歯車やベアリングなど高面圧部の潤滑性を確保(極圧添加剤)
④湿式クラッチの摩擦係数のばらつきを少なくすると共に、滑り速度の増大に対して、摩擦係数が増大しないようにして、対ジャダー性能を確保(摩擦特性安定剤)
⑤使用中、あぶくだらけにならないように消泡性を維持(消泡剤)
⑥スラッジ、ワニスなどの化学的異物の生成を防止(清浄分散剤)
⑦エンジンオイルなどとの誤用を防止するため、赤色に着色(着色料)

Source: www5.tok2.com

ご覧の通り、色々な成分がブレンドされています。
先ほど、サッカーチームの選手に例えましたが、トップクラスのミッドフィールダーはそのチームカラーによって求められる能力が違います。攻撃的チームか、守備的チームか、得点力の高いチームメイトがいるか、守り抜いて最後にカウンターで勝負するか、チーム全体の個性に合わせた能力を発揮します。ここで「オートマオイル」に置き換えてみましょう。チームメイトは先ほどの3つの機能部分とします。そしてミッションに求められる特性(チームカラー)によって「オートマオイル」の求められる能力が決まることになるのです。

「オートマオイル」はチームカラーを大切に!

この様に色々なな役割を担っている「オートマオイル」は液体ではありますが、近年の電子制御で高度にコントロールされているオートマチック・トランスミッションに於いては専用部品と同じなんです。各メーカーがファミリーカー、スポーツカー、SUVなど車に求められるシーンに合わせて調整をした上で新車を販売しています。その車に合った「オートマオイル」も同じ理由で選ばれています。それゆえ「オートマオイル交換」をしなけれはならない時は、純正品またはメーカー指定品を推奨します。サッカー日本代表にメッシやクリスティアーノ・ロナウドが入っても勝てるとは限りません。チームメイトに恵まれて高い次元でバランスがとれていて初めてバルセロナやレアル・マドリードの様な常勝軍団になると思います。

なおさら気になる「オートマオイル交換」

交換するなら専門家のアドバイスを

とりあえず「オートマオイル交換」にあたって純正またはメーカー指定のオイルを選ぶことが望ましいのは役割を知って頂くいたことで何となくご理解頂けたと思います。自動車メーカー、ミッションの製造メーカーとオイルメーカーが時代の要求に合わせて共同開発している部品の1つが「オートマオイル」です。敢えて性能アップ等の何らかの理由で他者製品に交換するのであれば、一秒未満の動作を求められる電子制御と3つの機構に対する各メーカーと同等の知識をもつ専門家のアドバイスを得た方が無難ですね。それと同時に調整もお願い出来れば希望が叶うのではないでしょうか。

「オートマオイル」って思ってたより重要なんだから、なおさら「交換した方が良いのではないだろうか?」という気持ちが強くなりますよね。でも一番最初にご紹介したメーカー推奨の交換時期なら、まったく交換しなくても大丈夫な方がほとんどだと思います。この心配もちょっと視点を変えて考えてみると「そういうことか!」とご理解頂けると思うので経験談も交えてお話をさせて頂きます。

10年ひと昔

これは体験談ですが、走行距離が4万km以上のスズキの軽自動車で10年目の車検をむかえました。いつも頼りにしている整備工場で、もうそろそろ時期だという事で「オートマオイル交換」を勧めらたのでお願いしました。普段は「街乗り」でしか利用してせず、年に数回の遠出で高速道路を走る程度なので、いまでも元気に活躍しています。特に不満はなかったのですが車検から戻って来て、急な坂道を走った時に登坂力とギアチェンジにタイミングの違いに驚いてしまいました。車検で他の部分もメンテナンスしてもらったので「オートマオイル交換」だけが要因ではないと思いますが明らかに体感できました。戻ってから整備工場の社長にその話をするとスズキの軽自動は「メーカー純正」じゃないと調子が悪くなる例が多いことと、軽自動車のエンジンルームは小さくてFF車なので普通のFR乗用車よりもミッションオイルが熱による影響で劣化が進みやすいので交換を進めたと教えてくれました。最後は「でも10年だからね。」と言って笑ってました。

メイド・イン・ジャパン

言われてふと思ったのですが10年間は新車から無交換で何も問題がなかったのです。そこで先ほど「オートマオイル」は部品だとお話させて頂きましたが、何故かと言うと「オートマオイル」は日本のいわゆる「街乗り」で使用する前提条件では約15万km以上の走行距離でも性能が維持出来る様な仕様だそうです。これって機械の対応年数とか考えると液体ではあるけど、部品と呼んであげても差し支えない耐久性ですよね。それから自動車産業という視点でみると、日本は世界一の自動車輸出大国なのは皆さんご存知だと思います。同じ様なオートマ車が道路を含めた社会インフラが整っていない、ましてカー用品専門店が無いような後進国でも「日本の自動車は壊れない」と評判ですし事実だと思います。ガソリンとタイヤとエンジンオイルさえあれば、どの国でもどんな環境でも「壊れないで走り続ける車」そんな車を目指して日本の自動車メーカー、ミッション製造メーカー、オイルメーカーは協力して車を作り続けているのです。

郷に入れば郷に従え

また、先進国の欧米に輸出している車の「取扱説明書」には同型の車種でも「オートマオイル交換」の目安になる距離が違ったり、交換不要と説明されていたりすることもある様です。これは経済性や環境保護の立場で、特に欧州の自動車メーカーがアピールポイントにしてる事もあり、日本の自動車メーカーも輸出先の事情に合わせて裏付けがある車種では表記されているそうです。

結局「オートマオイル交換」する?しない?

わかってきたぞ「オートマオイル」

ここでこれまでの話を軽くまとめてみたいと思いいます。

(1)オートマオイルは3つの場所で働いている
(2)オートマオイルはミッドフィルダー
(3)チームワークには純正オイル
(4)オートマオイルはもはや部品
(5)ジャパンクオリティは凄い

事実ではありますが、こんな美辞麗句の様に「オートマオイル」を褒め称えて「交換不要」と思い込まれてしまうと、それはそれで問題があるので「弱点」もちょっとお伝えしておきます。

いつかは絶対やる

先ほどもお話しましたが「オートマオイル」を部品で考えてみます。唐突ですがパソコンが壊れて修理に出した経験のある方はご存知だと思いますが、不具合が生じた場合、そのパーツを丸ごと交換しちゃいますよね。例えば「ハードディスク」「モニター」なんか部品の集合体ですが、そのどの部分が故障したかを突き詰めたりせずに交換となります。オートマオイルも一緒で色々な成分で成り立っているその車専用の精密部品だとお考えください。そうすると車の使用状況(街乗り、走り屋、アウトドア等)による個体での不具合が生じる可能性は否定できません。その場合は交換が必要になりますね。また、普通に使えるパーツなのに液晶モニターだったり、マウスだったり新しい周辺パーツがでると興味本意でつい変えちゃったりしますよね。そんな場合と同様で使っている状況ではなく、不安感だったり、好奇心で「オートマオイル交換」することは個人の自由なので自己責任で判断すれば問題無いと思います。

ここでオートマオイルの弱点を一つ。この部品は暑さにとっても弱いそうです。各成分がもつ耐熱性を超えてしまうと著しく性能が低下するそうです。オーバーヒートや夏場の長時間の高速走行など過酷な状態に「オートマオイル」が晒された場合には寿命も短くなるので、そんな場面が多い方は推奨距離内であっても交換を検討した方がよい場合があります。各自動車メーカーもシビアな使用状況に対しては目安としているオートマオイル交換の走行距離や時期を短くする様に勧めています。

最後にエンジンオイル同様に汚れを気にする方が多いと思います。エンジンは燃焼によって機構内に不純物が発生する要因があります。しかしミッションの機構内では不純物が発生することがほとんど無いので「街乗り」利用であれば、汚れを心配する必要はありません。不純物としてはプラネタリーギアの金属粒子が考えられます。また、耐熱性能以上の熱によってスラッジが発生する可能性も考えられます。そのためATエレメントを含め、要所にはフィルター機能が設けられているので不純物による故障はほとんど無いそうです。

Source: http://www.sadoya.com/atelement/atelement_menu.html

「オートマオイル」交換の時期

いかがでしょうか。自動車に使われているオイルには必ず寿命はありますが、それは機械部品も同様ですね。肝心なのはその部品の機能や性質を知って、自分の使っている状況に合った判断をすることが「オートマオイル交換」の時期とういう事ですね。

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