≪アストンマーティン シグネット≫超希少な車の秘密とは?

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アストンマーティンと言えば、誰もがご存じの英国の老舗スポーツカーメーカーです。ラインナップはどれも1,000万円以上の高級車メーカーでもあります。2011年、そんなアストンマーティンが小さな小さな高級車を発表しました。その名も“シグネット”です。アストンマーティンにしてはずいぶん小振りなこの車は、アストンマーティンオーナーのセカンドカーとして開発されました。はたしてユーザーの反応はいかに?

まずはご覧いただきましょう

Source: http://www.astonmartin-atlanticcars.co.jp/carsmenu/CYGNET_INTRODUCTION.html

これがアストンマーティンシグネットです。従来のアストンマーティンのラインナップからは想像できないコンセプトの車ですが、これまでの郊外をクルージングするためのスペシャリティではなく、街中を軽快に走り回るアストンマーティンです。
エレガントにして個性豊か、そして自己主張がありながらも実用的なシグネットは、都会の足として理想的なラグジュアリー・ソリューションです。 最高級の素材を使い細心の注意を払って手作りされたシグネットはクラスの枠を超えた車で、スタイリッシュ、スマート、知的を持ち合わせています。コンパクトカーにさえこだわりのあるドライバーのためにつくられた、都会のためのアストンマーティンと言えるでしょう。
コンパクトで取り回しに優れていますから、様々なシーンで多彩な使い方が可能です。気軽に市街地を走り抜けられる車でありながら、アストンマーティンファミリーに加わっても違和感のないコンパクトカーに仕上がっています。

デザイン

Source: http://www.astonmartin-atlanticcars.co.jp/carsmenu/CYGNET_DESIGN.html

シグネットは、最高級素材で創り上げられたラグジュアリー・コンパクトカーです。他モデルと同じく、アストンマーティンならではのテイラーメイド仕上げで、ユーザーのスタイルと個性にマッチした仕様の車を造り上げることができます。エクステリアカラーとレザーカラーをアストンマーティンのカラーレンジすべてから選択可能ですし、スポーツカーモデルにはないシグネット専用のインテリアトリムマテリアルも用意されています。
オプションから好きな色とコンビネーションをピックアップしても良いですし、無限のパレットからつくり出すことも可能です。豊富なバラエティの中からあなたのテイストに合わせ、望みどおりのシグネットに仕立てて個性を表現することができます。シグネットには、スタイル、クラフトマンシップ、ディテールへのこだわりというブランド哲学を通じて、心に響くデザインの伝統が息づいています。

Source: http://www.astonmartin-atlanticcars.co.jp/carsmenu/CYGNET_DESIGN.html

フロントグリル、サイドストレイク、アストンマーティンウィングロゴバッジなど、各所にアストンマーティンであることの主張が見られますね。

スペック

寸法
全長:3,078mm
全幅:1,680mm
全高:1,500mm
ホイールベース:2,000mm
最少回転半径:4m
燃料タンク:32リッター
車両重量:988kg

エンジン
1,329ccデュアルVVT-i エンジン
直列4気筒16バル DOHC
電子制御式燃料噴射装置
フロントマウントエンジン&ディファレンシャル
前輪駆動
触媒付きステンレススチールエグゾーストシステム
圧縮比 11.5:1

トランスミッション
6速MTアイドリングストップ機構付き
CVT

パフォーマンス
最高出力:98PS/6,000rpm
最大トルク:92kgm/4,400rpm
最高速度170 km/h
0-100km/h加速:11.8秒 (6速MT) 11.6 秒 (CVT)

ベースはトヨタiQ?

Source: http://toyota.jp/iq/

賢い読者のみなさんはお気づきですよね。そう、シグネットはゼロからつくられた車ではありません。トヨタの一番小さな車“iQ”をベースにつくられているのです。

完全にストリップダウン

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トヨタのiQをベースにしているとは言いながらも、シグネットの製造工程は他のアストンマーティン車となんら変わりません。なぜなら、ボディをアストンマーティンカラーにするために、トヨタの高岡工場から運ばれたiQの完成車を丸裸にするところから始まるからです。つまり完成している車を部品単位まで分解してボディーをペイントし、オーダーメイドで受け付けた通りの内装を作り上げていくのです。この工程は、まさにアストンマーティンの車づくりなのです。唯一の違いは、トヨタiQのコンポーネントを利用していることだけです。
おかげで、シグネット1台を作り上げるためには、150時間という途方もない時間が費やされるのです。

新造部品も多数あります

見比べてもらえればわかると思いますが、シグネットは単にiQの衣替えではありません。外装で流用されているのは、モノコックボディとしては必要最低限な部分のみです。ボンネット、フロントフェンダー、フェイスパネル、トランクリッドなど、交換可能なパネルはすべてアストンマーティンデザインに変更されています。
内装も単に革張りになっているだけではありません。ダッシュボードからセンタークラスターまで、流麗なデザインのものに変更され、なおかつすべてを手作業で縫い合わされた本革で覆い尽くしています。もちろんすべてのパーツをカラーオーダーできるのですから、所有する喜びは格別です。

高いのか安いのか?

そんなアストンマーティンシグネットの価格は475万円です。発売当時、ベース車輌であるiQの3倍以上の価格であることがいろいろともてはやされました。アストンマーティンを理解していない人にとっては、“iQを着せ替えただけで300万円以上の上乗せ”という印象だったに違いありません。ですが、アストンマーティンの車づくりを理解している人にとっては、その作業工程や必要な時間、そして所有できる喜びを考え合わせれば、むしろ安いという意見もありました。

フラッグシップモデルと同等のクオリティ

Source: http://www.motorauthority.com/news/1070622_aston-martin-shows-why-the-cygnet-costs-what-it-does-video

内装に使われている本革や各種パネルの素材は、2,000万円以上もするフラッグシップモデル“DB9”とまったく同じクオリティーで、驚くことに本革使用量に関しては「同量」だということです。外観にもアストンマーティンらしさはふんだんにい盛り込まれていますが、中でも特筆すべきはフロントマスクで“アストンマーティン”そのものと言えるデザインが成立しています。グリルは中のルーバーまで本物のメタリック素材で、エンブレムはもちろん手の込んだエナメル仕上げ。他のラインナップと同様に、バーミンガムのジュエリーカンパニー“FATARINI”にわざわざ作らせているのです。
その一方で、コンポーネントに関しては98psの1.3L直4エンジンやギアボックスのCVT、サスペンションはセッティングまで含めてiQすべてと同じです。走りに関してはほとんど手を付ける必要がなかったということでしょう。ただし室内に侵入してくるノイズに関してはアストンクオリティーを満たせなかったようで、各所に消音材が追加されて静粛性が高められています。

腕時計の世界観に似ている

個人的には、“高級時計”と呼ばれる機械式時計の世界観に似ているように思います。一見、共通性はないように思えますが、実はとても共通する部分が多いと思うのです。この項については完全に私感というか持論ですので、正しいかどうかという議論は抜きにして読んで下さいね。

ピンからキリまである腕時計

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そもそも“時間を表示する”というだけの機能で言えば、もはや腕時計の存在価値自体が疑わしくなります。スマートフォンをはじめとする携帯電話をもたない人はほとんどいませんから、時間を確認する道具はほぼすべての人が持っていることになります。加えて最近ではスマートウォッチなるものまで登場していて、もはや時を刻まずして時間を表示できるのですから、時計の立場なんてどこかへいってしまったのかもしれません。
ちょっと話が飛び抜けすぎてしまいましたが、腕時計としての機能を果たすだけでしたらホームセンターのサービスカウンターの横にぶら下がっている500円程度のものでも可能です。でも世界中を見渡せばゼロをいくつも数えてしまうほどのプライスが付いた腕時計もありますよね。
電池で動く時計に対して、機械仕掛けで時を刻んでいるものを機械式と呼びますが、この機械式の中にもピンとキリが存在します。手巻き式、自動巻式、永久時計などの複雑な構造の時計にも量産型と特別な逸品が存在するのです。

日本を代表する時計メーカーのセイコーを例に話をしますね。世界のセイコーは電池で動くクォーツ時計、機械式時計に加えて、今時ですから電波時計もつくっていますが、今回は機械式に絞って話します。セイコーが世界に誇る技術のなかでも凄いのは、機械式(自動巻)腕時計を量産していることです。日本での販売価格は3万円前後です。これは世界中の時計メーカーがまねしたくても出来ない技術なんです。
その一方で、すべてを手作業で仕上げる超高級時計も生産しています。
コストを下げることを目的に大量生産した部品を可能な限り機械で自動的に組み立てて、極限まで人の手を介さずに完成させると3万円で販売できるのですが、300もあると言われる時計の部品を可能な限り素材から削りだしてつくり、すべての組み立てをマイスターの手によって行うとゼロが2つも増えるのです。ひとつの時計を組み上げるのに9ヶ月の時間を要するとも言われますから、この金額が高いか安いかは受け取る側の価値観で決まるのではないでしょうか。

世間の評価は思惑と違い...

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残念ながら、世間の評価はアストンマーティンとは違っていたと言わざるをえません。当初は年間4,000台を生産し、そのうちの50台が日本に割り当てられるという構想でしたが、蓋を開けてみれば総生産台数は150台に満たなかったそうです。販売目標に対して販売実績がおよそ1.3%という、自動車業界においてもまれに見る失敗だったといえます。
正直に言えば、私も日本では成功しないだろうと思っていました。もともと日本にはセカンドカー/サードカーを持つ文化が根付いていません。一部の富裕層で多数の車を所有する人がいますが、これは使い分けというよりも“欲しい車を持てるだけ”といった所有欲を満たす目的が強いのでしょう。ですから、アストンマーティンオーナーが普段履き用にシグネットを購入する姿が想像できませんでした。
ですが、自動車文化が発達している欧米では受け入れられるのではないかと思っていました。例えばロールスロイスやベントレーのオーナーは、買い物などで街中を走るときには大きな車は使いません。セカンドカーとして小さな高級車を持っているのです。古くはバンデンプラ・プリンセスや、ライレー・エルフなどがそうでした。小さなロールスロイスと評される車がちゃんとあるのです。
私はシグネットのニュースを聞いたときにこのことを思い浮かべました。世界中のアストンマーティンオーナーが、セカンドカーとしてシグネットを注文する姿が思い浮かびました。でも、時代は変わっていたのでしょうか。残念ながらシグネットはアストンマーティンオーナーには受け入れられず、そうでない人には高額なミニカーと言われてしまったのです。

手に入れる方法は?

上述したとおり、シグネットの評価はさんざんで、発売から3年を待たずに生産が打ち切られてしまいました。ですからもう新車で手に入れることはできません。となれば中古車を探してみるしかありませんね。実際日本に何台のシグネットが輸入されたのかが定かではありませんが、中古車は出回っているのでしょうか。

中古車を探してみる

某中古車サイトを覗いてみましょう。さて、シグネットの中古車は存在するのでしょうか。

シグネット(アストンマーティン)の中古車に関する情報が満載。シグネットの中古車検索や中古車販売などの中古車情報なら「カーセンサーnet」!リクルートが運営する中古車情報のサイトです。シグネットの中古車が様々な条件で検索可能。あなたの車選びをサポートします。

ありましたね。でも3台しか登録されていませんでした。1台は走行600kmと、ほとんど新車のような車ですね。そのせいか528万円というプライスが付いています。よく見るとオプションが多数追加されていますね。新車価格を上回っているのはそのせいでしょうか。ボンネット上のエアスクープや足の本数が多いアロイホイールなど、オプションずくしですね。
残りの2台は標準設定の様に見えますね。走行距離は1万キロ前後で478万円のプライスが付いています。いずれにしても色や装備を好みに合わせて選べるほどの球数ではないですね。iQの着せ替え車に500万円を支払うと見るか、小さくてもしっかりアストンマーティンであることを理解して、一番お手頃なアストンマーティンと見るかは、あなたの価値観次第ということですね。

最後にまとめ

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いかがでしたか。歴代で一番小さなアストンマーティンである“シグネット”をご紹介しました。正直に言えば私の価値観では“アリ”の車です。あのアストンマーティンがすべてを分解して1から組み直した車ですからね。トヨタ製のコンポーネントを利用しているというだけのことで、車づくりはアストンマーティンが行っていますから、正当なアストンマーティン車だと思います。偉そうなことを言っても乗ったことはありません。ですから乗ってみたいのですが、乗ったら欲しくなってしまうことがわかっているので動けないのです。

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